本当は悪いやつなのかも

モカのいつもと違ったかわいらしい声に、台所に足を踏み入れると、得体の知れないものが散乱している。

なんだこれは？
モカが吐いた？　こんなに大量に？
医者だ！　医者に行かなくては。

よく見たら埃の固まりだった。

モカは、冷凍庫の下に紫ネズミ１号をたたき込み、



えい

手を伸ばして、取ろうとする。



うーん

その結果、埃を掻き出したのだ。
いや、埃だけを掻き出したのだ。紫ネズミ１号はまだ冷凍庫の下で、



取ってだお

仕方がないので孫の手で掻き出した。紫ネズミと埃の固まりを……

そしたらまたすぐにたたき込みやがった。



いい加減に……



うふーん
くっそお

これを飽きずに数十回繰り返した。孫の手を持ってくると、すぐに飛びかかれるように腰を上げて待っている。



１号：どうしたんだ、２号？　しばらく見ないうちにやせたんじゃないか？
２号：そうなんだ。カーペットに押しつぶされて……。それより１号、ずいぶん薄汚れたじゃないか？
１号：そうなんだ。冷凍庫の下がゴミの巣窟で。この家の主婦は表だけをさらっと掃除機をかけるだけで。

だって、冷凍庫の下まで掃除するのは大晦日くらいだよ。いや、去年の大晦日にしたかといえばしなかったかもしれないけど…。





何かに夢中になっているときのモカは、



意外に悪人面である。



そんなこと無いお



ほら、こんなに癒し系。


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